作曲:シンカク高橋
© 2018 Shinkaku Takahashi
心に傷を負った旅人たちが集う無情の最終列車。
赤いテールランプの最果て行き夜行列車が旅情を掻き立てる。
孤独な旅人たちは別れを惜しみながらも新たな出会いを夢見る。
今ここ、深い闇夜の静寂に包まれる地方都市の駅。
深夜の旅路は寂しさと期待を織り混ぜ、
そして、遠ざかっていく駅のホームの灯り。
どこまでも続く直線とカーブの線路。
ブルートレインという名の男のロマンと哀愁が長距離を駆け抜ける。
その車窓に映る景色は流れ星のように美しい。
客車に居座る座席の振動と鉄路の軋むリズム音が神経の奥底に響く。
終着駅への到着と同時に終わる「ミッドナイト・トレイン」の旅。
それも、また新たな旅への始まりとなる。
銀河への旅路を夢見て人は、
限られた人生という時間の中で、
矛盾と不条理と切なさと傷を抱え、
いつまでもいつまでも出会いと別れを繰り返ていく。