風になびく唄

~フェリーは沖へと去っていく~

作詞:シンカク高橋
作曲:シンカク高橋
編曲:シンカク高橋

© 2001 Shinkaku Takahashi

(※歌詞はこのページの一番下です)



快晴の日だった。
磯風が心地よく舞う港の波止場で、

「風になびく唄」が聴こえてくる。

 

大型の長距離フェリーは大潮の満潮時に出港した。

 

波に揺られて沖へと遠ざかり、

親友が次のステージへと旅立っていく。

 

半島の先の、岬の上にひとり残された僕は

内面の奥底に、内省的な思いを抱えていた。

 

親友との絆は風を超えて続く。

行く先には、新たな出会いや冒険が
彼を待っていることだろう。

 

寂しさと喜びが入り混じった別れの日、

ちょっと強めの潮風が心を寂しくさせる。

 

フェリーが水平線の向こうへと遠ざかり、

静まり返った港の空には
切なさ混じりの希望色の翼が広がる。

 

自分もいつか新たな航海に旅立つ日がくるだろう。

 

その時まであの空のウミネコのように自由な魂を保ち、

心に宿るこの唄を忘れないように。

 

友情の絆は永遠に続き、風と共に舞い踊ろう。

遠い国へと思いを馳せながら。


(歌詞)

作詞:シンカク高橋

© 2001 Shinkaku Takahashi



1⃣「風になびく唄」を聴かせておくれ
とびきり優しいその声で
地球上にひとり取り残されても
君の声があれば勇気を出せる

優しさの裏に隠された
冷たい感情見え隠れする
人はそんなもんさと言い聞かせても
なんかやっぱ寂しい気持ちが残る

窓辺に映った寂しそうなその笑顔
つまらないことばかり
起こる不運を恨んで

夜をひとり悩めば朝には小鳥の声
森から聞こえる君の声確かに聞こえた

風になびく唄を聴かせてあげる
渚を見降ろす丘の上で
潮の香り漂う夏の夜の日
夕陽に透けた君の横顔よぎる

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2⃣ 風になびく唄を聴かせておくれ
とびきり優しいその声で
潮風の中で抱きしめるから
いつでもおいでよこの島へ

激しい嵐に襲われて

ここから一歩も動けなくなる
見えない鎖をほどきたい
力をください今ここに

南の海には今日も日が昇る
椰子の木林の続く道を歩いてる

君を想えば胸がドキドキして
二度と逢えない運命(さだめ)を恨んでいる

こんな暗い世の中吹き飛ばそう
明るい笑顔で今、立ち上がろう
人生(たび)の疲れ癒す薬をくれ
愛に結末(おわり)感じても歌い続けて

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3⃣ 風になびく唄を聴かせておくれ
唄を歌う勇気持っているなら
聴いてくれる誰かがいなくても
海を越えてゆくよ風に乗せて

哀しみの海は煙ってた
青からグレーに変わってゆく
でも、明るいメロディ唄えばいい
ほら、一緒に歌おう風の唄

毎朝のニュースは人を責める話題ばかり
グチグチごちゃごちゃ
そしてジェラシーなコメント

ある日俺は目覚めた
誰かの作る流れに
乗ることに嫌気さして
「夢号」に乗って旅に出た

風になびく唄を聴かせておくれ
とびきり優しいその声で
すべて失っても君がいるから
こぶしギュッと握りしめ
さあ
歩みだそう

辛いのはわかるよ、でも
ほら、遠くへ行こう

Ah 輝く海に祈りを捧げよう
Ah 愛する人がいるなら
遠く遠く離れても~

風になびく唄を聴かせてあげる
とびきり優しいこの声で
ありふれた言葉は消えていく
時間は止まらないいつの時代も

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4⃣ どうにもならない環境と
伝わらない気持ち苦しんでいる
人と違う個性は村八分の島
「自由の意味とは」って、つぶやいてる

あなたが歌った
岬に今ひとりでいる
何もかも忘れるため
島を出て旅に出たんだ

潮風は冷たい
ほほに突き刺さって来る
カモメが飛び去る
さらに北へ向けて

恥ずかしみに芽生えた劣等感に
さいなまれ続ける苦しさよ
大きなもの求める欲望と
心の弱さとの葛藤よ

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5⃣ 風になびく唄を歌いたい
潮風に乗せて君の街まで
何もかもがうまくいかなくても
いつかなんかできる自信探して

自信が持てずに一晩中
泣き疲れ朝に取り戻してた
そんな遠い日々が懐かしい
二度と来ない現在(とき)を探し続ける

お前の背中に突き刺さるナイフの痕
俺の心に突き刺さる誤解の大群

片腕のサーファー
大波で知られる島で
誰も乗れなかった
一番大きな波に乗ってた

戻れない時代(とき)に思いを馳せ
故郷(ふるさと)の空に沈む夕陽さ
懐かしい友よ今は何処(いずこ)へ
逢えない運命(さだめ)背負い生きてく

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6⃣ 風になびく唄を歌ってみた
声は届かない君の街まで
世の中がどんなに絶望でも
旅の出発はいつ何処(いずこ)へ

進むべき道はわかってる
目に見えぬ何かが邪魔をする
悩み続けている愚かさよ
壁をぶち破る強さください

何ひとつ自信なんてわいてくる要素もないし
人とうまくやれるほど自分を消せやしない

人が造るドラマやレールにはうんざりきてる
俺は俺でありたい風のように自由に

風になびく唄が歌えるなら
君に届く声が伝わるなら
愛し合った人はどこにいるのか
遠く白く広がる砂浜か

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7⃣ ありふれた言葉で伝えても
分かり合える人はいないから
締め付けのような気持ち感じて
見えない鎖で縛られてた

風になびく唄をいつまでも
風のような声を聴かせてください
ブラックホールの闇、抜けたくて
今はもう的しか見えてない

不安に取りつかれて
動けない夜もあった
希望に満ちあふれて
眠れない夜もあった

喫茶店の壁から剥がされた
不要になってしまったポスターのように
いつしか俺もこの世から
消え失せるように、はみ出して

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8⃣ 風になびく唄を歌わせてよね
いつか何かできる唄を探して
ひとり波を見てたよ時は流れて
寂しさと共に日が暮れてく

怒りの矛先誰に向け
苦しみの間に放つのか
人がふるう権力(パワー)に
押し潰されて
爆発させる舞台のない町

愛情に包まれてた俺の幼き夢
優しかったままの声が今も胸に響く

だからお願い俺の
ことを信じておくれ
やることのひとつひとつに
意味があるんだから

そして10年の時が過ぎ

俺たちはどこへたどり着くのか
いつか何かできることを探して
そんな君に出来ることを探して

Wow wow wow
風になびく唄を聴かせておくれ
とびきり優しいその声で
この星にひとり取り残されても
君の声があれば勇気を出せる


風になびく唄を聴かせておくれ
Hey とびきり優しいその声で
HeHey ららら・らんら・らんら・らん
らんら・らんら・らん
Hey 俺たちの唄を聴いてくれ
希望の星の物語

風になびく唄をう~う
 ららら・らんら・らんら・らん
らんら・ららら・らん
・・・・Hu~Hu
・・・・聴いてくれ
Oh   聴いてくれ・・・
Oh   聴いてくれ・・・(FIN)